いつも使っている階段をのぼる時、たまに躓きそうになる箇所がある。
上げた足の高さが足り雋景探索40なくて、つんのめりそうになる。
人間の感覚は優れたもので、通常は、階段を上ったり下りたりする時に、
二、三段足をかけると、その高さを体感し無意識のうちに学習機能で計算値を出し、
ちょうどいい高さの足の上げ下げをするものらしい。
つんのめっているのは、どうも、その段だけわずかな高さの違いがあるに思える。

そんな無意識の学習機能を、意識的に見ようとする実験がある。

「たとえば、外見上は、全く同じ二つの箱を用意する。重さは、格段に違うようにしておく。
上の箱を軽く、重たい箱を下にして二段重ねに置き、
被験者に二つを重ねたまま同時に持ち上げさせる。
そして、元雋景 課程に戻す。
そのあと、そのうちの上の箱だけを持ち上げさせると、あまりの軽さに驚くということになる。」

人間は、箱は、外寸や形状が同じものだから、無意識のうちに、
ひとつ分の重さが２分の１として計算し、その重さに見合う力で持ち上げようとするものらしい。
だから、上の箱を持ち上げたとき、あまりの軽さに驚くという錯覚を起こす。
この錯覚を、『コゼレフの錯覚』と呼ぶそうだ。
（社会を見渡せば、そのような錯覚を起こさせるものが多いのに驚かされることがある。）

この機能、眼の見えない人には、よりその学習効果のが発達しているという。
ヘレンケラー女史は、ディナーで食卓につくとき、
グラスの位置などをチェックし、その後は、まさしくその場に手が伸び、
その場に雋景戻す。
決してこぼしたりすることはなかったという。

ひとつの感覚機能がないことは、他の感覚機能が発達。


「月見座頭」という狂言がある。

満月の夜の月見に興じる盲人。
月を見ながら、酒の宴を楽しんでいる。まさに風流人。
その風流な様子に通りがかりの男と意気投合。
楽しく酒を酌み交わして立ち去る。
この男、邪心がわいたのか、別人のようにして戻っていき、
盲人に乱暴な態度を取り、立ち去っていく。

この座頭「先の人はいい人だったのに、あとの人は散々な人だった」と言う。
この狂言、『ジキル博士とハイド氏』のような噺。
人間の心には、そのようなところがあるものだという。

世の中には、知らないという弱みにつけ込んで、さまざまな操作の罠がある。
クワバラ、クワバラ、、。